天木氏「さらば日米同盟」を語る

グリーン九条の会第四回の講演会が6月25日60名の参加で開催されました。

講師の天木直人氏は元駐レバノン日本国特命大使で現在政治、外交、平和問題の分野で多くの提言や執筆活動をおこなっています。演題はご自身の著書のタイトルでもある「さらば日米同盟」。沖縄の基地問題の行き詰まり、ウィキリークスによる外交の裏側報道など日米関係のあり方が今一層注目される中、やや刺激的なタイトルでこれからの日本の進路、平和のあり方などを縦横に語ってもらいました。氏は現在の「日米同盟」は「日米安保条約」をも変質させた段階にあり、決して日本を守る同盟ではないこと。日本はこの対米従属から脱し、憲法九条に基づいた平和外交に徹するべしとの考えを外交官時代の経験なども交え説得力のある言葉で語られました。特にアラブ・イスラエル問題は氏の経歴―レバノン大使在任時小泉首相に米国のイラク攻撃を支持すべきでない旨の諫言したことにより外務省解雇処分を受ける―が物語る通り極めてわかりやすい明解なお話でした。今様々な意見のある中、国民一人ひとりが自分の頭で考え自身の意見をもち語り合うことの重要性も訴えられました。

氏はマイクをもって直立したままでノー原稿、文字通り日本の平和を切り拓く姿勢と気迫が伝わってくる1時間半でした。お話の後参加者からいくつかの質問が出され一つひとつ丁寧なお答えもいただきました。

天木氏の今後益々のご活躍を祈念するとともに お忙しい中わざわざご参加いただいた皆様に感謝申し上げます。

2011年7月2日 事務局