第4回全国交流集会に参加

11月19日東京日本教育会館で行われた「九条の会第4回全国交流集会」に 世話人、事務局の2名で参加してきました。
3年ぶりの開催ということで雨模様の天気にも関わらず全国から750名の参加で大きな盛り上がりの中 熱気にあふれた経験交流が行われました。
冒頭九条の会呼びかけ人3名のあいさつに続き午前は各地域・分野の「会」からの報告(全体集会)、午後は分散会に分かれての報告・質疑・交流という流れでした。
「福島県九条の会」からの原発事故後の取り組み報告をはじめ いずれもその地域の実状と正面から向き合う中で会員の勇気、創意、工夫をくみつくすというような取り組み内容でまさに“目から鱗”の連続でした。
また呼びかけ人のお一人澤地久枝さんの変わらない艶やかで気迫に満ちたお話に強い説得力を感じました。
昼休み時に北海道の「九条の会」交流の場が設定され15団体が参加しました。各地の取り組みの紹介とともに道内「九条の会」ネットワーク作りの動きが報告されそれに対しより多数の結集めざすいっそうの工夫の必要性が指摘されました。
閉会集会では小森事務局長より集会のまとめとして、今集会の意義、九条の会運動の広がりと到達点、原発問題との関わり等について報告がありましたが、九条の会運動の今後の方向を示したものと受け止めました。
全国の仲間の平和への献身的な熱意に心から敬意を感じるとともに微力ながらそれらに繋がっていく喜びと決意を胸に帰路につきました。

2011年11月22日 事務局

映画「カンパニー・メン」の企業論理

先日、「カンパニー・メン」を観てきました。大企業を突然解雇された男の物語です。

 6万人の従業員を抱えるGTXの販売部長で37歳のビー・ウォーカーは、事業再編のリストラにより突然解雇されます。エリートのプライドを捨てきれない彼の再就職は難航します。自慢の愛車を手放し、家を売り払ってようやく彼が就いたのは、義兄の大工仕事のアルバイトでした。

 「会社は社員よりも株主に対して責任がある」という、アメリカ企業の論理の冷徹さ加減が浮き彫りになっている映画です。ナオミ・クラインが『ショック・ドクトリン』で明らかにした「惨事便乗型資本主義」の根底にこの論理があることを考えると、いわゆるグローバル資本主義の本質が見えてくるようです。

 最近、田島一さんが『時の行路』(新日本出版社)を出版しました。大企業を突然解雇された派遣社員の物語です。エリートと派遣の違いはあっても、この二つの作品で描かれている企業の論理は通底しています。違いはただ一つ。派遣社員は労働組合に加入してたたかう道を選択しますが、ビー・ウォーカーはひたすら個人的な解決に全精力を傾けるのです。

 いま世界の注目を集めているのが「ウォール街を占拠せよ」運動です。この集会に招かれたナオミ・クラインは、次のように挨拶しました。

 「昨日、労働者のデモで講演者の一人がこう言いました。『我々はお互いを見つけたのだ』と。この感想は、今まさにここで形成されているものの美しさを捉えています。よりよい世界を望むすべての人々がお互いを見つけるために、大きく開かれた空間を。同様に、どの空間も収容することができないほど大きなアイディアを。私たちは大きな嬉しさに包まれています」

 ビー・ウォーカーに、「お互いを見つける」という視点が少しでもあったなら、この映画の訴求力はもっとあっただろうと思いました。

 2011年11月20日 会員M