「基地なき沖縄を展望して」伊波洋一氏講演会

グリーン九条の会は元沖縄県宜野湾市長伊波洋一氏をお招きし第8回の講演会を開催しました。1011日会場(アスティ45ビル16F大研修室)に100名を超すご参加を得て「基地なき沖縄を展望して」のテーマで1時間半、その後30分の質疑応答で今日の沖縄めぐる問題を過去、現在、未来にわたって縦横に語っていただきました。
氏は沖縄を語るにあたってまずその歴史から始めました。琉球王国成立から270年に及ぶ戦のない平和な時代、“貿易立国”として栄えた時代は薩摩藩の武力侵攻によって中国王朝と徳川幕府への両属の時代へと移り明治新政府による日本併合そしてあの第2次世界大戦での地上戦の悲劇に繋がってゆきました。敗戦後の米占領から今に続く米軍基地集中の現状、この歴史の流れをおさえることこそ沖縄と沖縄の人々を理解する上で重要と指摘します。
いまだ止むことのない米兵犯罪、市民生活と同居する米軍飛行場と軍事演習、自国の安全基準を日本と沖縄には適用しない米軍と違法実態を見て見ぬふりの日本政府。最近のオスプレイ配備直後の安全基準反故事例が象徴的に示すとおり、まさに日米安保体制の矛盾と犠牲を沖縄に押し付けられ続けているのが実態であると述べます。講演テーマのポイントの一つでもある今後の沖縄経済発展については基地撤去してこそ展望が開けることをわかりやすい具体的計画例と数字をあげて展開、政府の振りかざす尖閣問題等中国脅威論でも軍事緊張を高める方向ではなくあくまでも平和的話し合いと経済交流でこそ両国の国益に繋がると指摘しました。
参加者との質疑では間近に迫った知事選の状況についての質問に保革共同へ至る経緯と今後の課題、ご自身の思いと決意を丁寧に語っていただきました。
映像を使っての2時間は沖縄を裏切り続けてきた歴代日本政府と、結果としてそれを許してきたわれわれ国民に突きつけられた責任を痛感した2時間でもありました。
開催にあたり今回医療九条の会・北海道、たかさき法律事務所九条の会、エンレイソウ九条の会に加えてビー・アンビシャス9条の会のご協力をいただくこととなりました。宣伝から当日の運営までご援助をいただきました。心よりお礼申し上げます。
伊波氏の今後益々のご活躍を祈念するとともに、お忙しい中わざわざご参加いただいた皆様に心より感謝申し上げます

20141015日事務局